こんにちは、心に届く手紙屋さん一筆れいです。
コロナの感染者の増加でステイホームが言われる中、
春の気配をそこかしこに感じるようになった。
そんな中、親友のみどりちゃんが同居(二世帯住宅)しているおしゅうとめさんが急逝したとの報せを受けた。
みどりちゃんが結婚して以来、遊びに行くたびに一緒におしゃべりをしたり、ランチにいったこともある。センスがよく、インテリアコーディネートも上手。手先が器用で手芸編み物、洋裁、レース編み。何でもこなし、孫の洋服も手づくり。ハンドメイドならでは味わいがあり、素敵だった。
みどりちゃんのおしゅうとさんを私も「お母さん」と呼ぶようになり、家に行くと必ずお母さんの所にも顔を出した。いつも歓待してくれて、お茶にお菓子、煮物に漬物と次々とすすめ、お茶を注いでは引き留められた。
長年、腕のよい美容師として家計を支えていたらしく、職業婦人としてプライドを持っていた。それだけに勝気で難しい一面もあったようだが、私にはいつも優しかった。
同じ名前だということで、シンパシーも感じていた。
私がライターの仕事をしていることをいつも「すごいねぇ」とほめてくれ、「これまでの私の人生も書いてほしいわあ」と言っていた。私もいつかお母さんの話にじっくり耳を傾けて、書いてあげたいと思っていた。
それはかなわなかった。
コロナゆえ、通夜と告別式は遠慮することにして、お別れに駆けつけた。
お母さんは、今にも微笑みそうなお顔で横になっていた。掛け布団が上下するように感じ、ただ眠っているだけにも思えた。
お母さんに、「これまでありがとうございました。また会いましょう!」と
声を掛けて、セレモニーホールを後にした。
89歳、高齢ゆえいつか別れが来るとわかっていても、いざその日が来ると受け入れがたい。
もっといろんな話をしたかった。お母さんの人生に起きたことを書き留めてあげたかった。
生きすればするほど、大切な人をたくさん見送ることになる。
当たり前に存在していた人がいなくなって、二度と会えなくなる時、
人間は「霊的な存在」だとあらためて感じる。
それにしても、「人はどこから来て、どこに行くのだろう」か。
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