こんにちは、心に届く手紙屋さんです。
今日は節分。節を分けるの文字通り、「季節を分ける」を意味している。節分は、立春の前の日を指すのだという。
改めて調べてみると、旧暦 (太陽暦)では、 1年の太陽の黄道上の動きを24等分していて、二十四節気(にじゅうしせっき)を決めている。1年のはじまりは、2月4日の「立春」である。「立」は中国語ではじまりの意味、つまり「立春」は春のはじまりなのだ。
道理で、寒さはまったく収まらないものの、日差しは春の気配が感じられる。
一昨日、用事を済ませた後、久々に閖上のからまちてらすまで足を延ばしてみた。すると、平日の上、オミクロン株の大流行もあり、ほとんど貸し切り状態。
その分、美しい風景をゆったりと堪能することができた。
忙しい中でも、寄り道をすると思わぬ収穫に出会える。だから私は寄り道が大好き。
思いがけず気の合う人に出会ったり、おいしい食べ物をみつけり、美しい景色に遭遇したり。
本との出会いもその一つ。先日、近くまで行ったのでなじみのカフェに久々に立ち寄った。その時、カウンターにおいてあった「生還者たち(サバイバー)の声を聞いて」(野村路子著)が気になり、マスターにお願いして、借りて読んだ。
著者の野村さんは、私と同じライター出身、ナチスの収容所で描かれた子どもたちの絵を日本に紹介し、30年にわたって活動してきたノンフィクション作家である。生き残った〈テレジンの子どもたち〉は、現在90歳を超えている、その方々へのインタビューを重ね、アウシュビッツにも数えきれないほど通い、取材を行っている。その方が「わたしたちの《遺言》だと思って書き残してほしい」と強制収容所からの生還者の言葉を綴ったまさに渾身の一冊である。
人は残酷なこと、恐ろしいことには目をそむけたくなるものである。ナチスが行った大量虐殺について書かれた本に関しては、意識的にスルーしてきたように思う。
しかし、本書によって、美術教師や画家などが収容所で子供たちに絵を教えていたことを知った。「明日はきっとよいことが起きる」と絵を描くことに希望を託していた。看守の目を盗んで、わずかにあった画用紙、ナチスが捨てた空き箱や紙くずなどを隠れるように拾って、さまざまなものを使って描かれた絵。絵を教えた先生もほとんどの子供たちにも「明日」は来なかった。そうして描かれた子供たち絵が何千枚も持ち出され、今も残されている。あまりにも恐ろしい記憶に口をつぐむ生存者の中で、「伝えることが生き残った私の使命」と語り部となり活動されている方がおられることも知った。
筆舌に尽くせぬほどの過酷な状況を生き抜いてきた方たちと対峙するときの、野村さんの苦悩は同じライターとして察するにあまりある。しかし、そのおかげで私たちは知ることができる。あらためて野村さんの勇気に心から感謝を伝えたいと思った。
野村さんは、著書にサインをする際、「知る勇気、伝える努力」と書くという。
見たくない、知りたくないと真実にフタをしてはならない。真実を知ること。そして知った限りは、伝えなければならないと感じた。(2022.2.3)
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