こんにちは、心に届く手紙屋さんです。
先日、久々に源吾茶屋さんに行き、「3種の餅セット」をいただいた。私が選んだのは、
納豆とごまとずんだの3種。この日だけは罪悪感を開放し、お餅を堪能した。
おいしかった!
さて、右端の「ずんだ餅」で、枝豆をすりつぶして砂糖と混ぜて餡状にしたもの。
今や仙台名物となっているが、「仙台名物ずんだ餅」と聞くたびに、「仙台人にやられた」という思いがふつふつとこみ上げてくる。
というのも、私のふるさとは山形で、「ずんだ餅」は、もともと山形県置賜地方の「じんだん餅」がルーツだと私が信じているからである。
「じんだん餅」の名称には、伊達政宗公が、出陣の際に「陣太刀(じんだち)」で枝豆を砕いて食したから」が由来という説や、「甚太(じんた)」という人がつくったとか、諸説ある。
私は、米沢で生まれた政宗公の幼少期の大好物が「じんだん餅」であったと考える。のちに米沢を後にして岩出山を経て、仙台藩主となるが、仙台に来てから政宗公の「じんだん餅」好きはたちまち広まったに違いない。そこで、PR上手な仙台商人にこれは売れると思われたのだろう。置賜地方の方言は、「んだべした」とか語尾が優しい。一方、仙台弁は「べっちゃ」とかきついから、「じんだん」が「ずんだ」に変化したのではないかと考える。
いずれにしても山形人は万事控えめ目でPRをしないから、こんなことになると思いつつも、そこがまた山形のよいところなんだよね。
最近よくポップアップストアでみかける新感覚の「ネオ和菓子」仙台菓寮 梵天○(ぼんてんまる)の団子※梵天丸は、政宗公の幼名上からごま×マスカルポーネ、きなこ×みたらし、あんこ×抹茶
冷凍技術が発達した今は一年中食べられるが、材料は枝豆、本来は夏の野菜である。
だから、かつて「じんだん餅」は夏しか食べられないごちそうだった。
ばばちゃ(祖母)が大きなすり鉢とすりこぎ棒をもって、枝豆をつぶすとき、私はすり鉢が
動かないように両手でしっかり抑えている係だった。枝豆がすりこぎ棒によってつぶされ、大量の佐藤が加えられることでより鮮やかな緑になっていく様は、本当に美しく、心が躍った。豆のさわやかな香りとともに今も思い出す。ばばちゃの作るじんだん餅は、容赦なく入れる白砂糖と絶妙な塩加減で作られ、味も最高だった。あれ以来、いろんなじんだん餅、ずんだ餅を食べたが、ばばちゃのじんだん餅を超えるものはない。夏の日差し、枝豆のベビーグリーン、甘い香りなどが五感を通して記憶に残る上、はばちゃとの思い出と一つになっているのだから当然と言えるだろう。
▲明治創業の趣あふれる源吾茶屋は、著名人も訪れる人気店
ばばちゃは、11人の子供を産み育て、たくさんの孫、ひ孫に囲まれていた。家族のために晩年まで商いをして働き、善良で誰からも愛される人だった。100歳まで生きると頑張っていたけど、97歳で天国へ旅立った。
コロナ、戦争、地震とさまざまな脅威にさらされる今の私たちを見たら、何と言うだろうか。
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